人事・労務の知恵袋

人事・労務 東京労働局の健康管理アンケート結果からみた今年の監督・指導方針

5月12日、東京労働局が昨年7月に実施した「従業員の健康管理等に関するアンケート調査」結果を公表するとともに、今後の行政対応について指針を打ち出しました。

調査結果の主な内容

1ヶ月100時間超の長時間労働がある企業は、47.5%
・脳・心臓疾患発症の懸念があるとしている企業の割合は50.2%に増加
・精神疾患発症の懸念があるとしている企業の割合も53.3%に増加
・過重労働による健康障害防止対策としての医師による面接指導制度の設置は50.5%
・心身の健康確保対策として「メンタルヘルス対策」を行う企業が増加


今後の行政としての対応

・長時間労働抑制に向けた取組の推進
・「過重労働による健康障害を防止するための事業者が講ずべき措置」等の周知徹底
・「労働者の心の健康の保持増進のための指針」等の周知徹底
・「過重労働による健康障害防止運動」の新たな展開


具体的には、時間外労働協定の適正化を進めるために時間外労働協定届出時の窓口指導を徹底、労働時間管理、健康管理等に関する法令の遵守徹底のための監督指導、個別指導を強化するとしています。

時間外協定届(=36協定)の届出遵守と届出内容が適正かどうか、つまり時間外労働や休日出勤の状況が届出されている協定の範囲を超えていないか届け出ている時間は極端なものとなっていないかなどの監督を行うといっているわけです。

これは協定届だけに留まらず、基本となる就業規則上での時間管理の在り方や、安全衛生面での対応が具体的なものとなっているかも確認される事は必至。もちろん賃金支払い状況についても、長時間労働を確認するためのものとして確認されるでしょう。

また、健康障害を防止するために、健康診断の実施状況や届け出状況も監督指導・個別指導を行うとしているところから、今年度の監督内容がどのあたりにあるのかが把握できると思われます。

時間外協定届の届出状況の確認とともに、就業規則上のでの扱いが適正になっているか、賃金支払い状況は問題ないかなど、実際の労管理の務状況との齟齬に十分に留意し、労務管理上で無理のないような規程や協定内容として整備していく必要があります。

今年度の監督指針から、今一度自社の労務管理状況をぜひ確認されてみてください。


「従業員の健康管理等に関するアンケート調査」結果/東京労働局
http://www.roudoukyoku.go.jp/news/2008/20080512-kenkokanri/20080512-kenkokanri.html
 

投稿日:2008/05/19
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