人事・労務の知恵袋

就業規則 疾病等による就業制限

本記事は2022年2月16日時点の法律に対応しています。

【今回のポイント】
1.法律で定める伝染病は就業を禁止・制限する
2.精神疾患により
労務を提供できない状態にある場合も就業を禁止・制限を加える
3.就業ができない期間は「無給」でも構わない


121120-1安全衛生法では、伝染病の疾病や他の疾病にかかった労働者に対して、使用者は就業を禁止するよう定めていますので、一定の疾病にかかった場合には、就業を禁止するよう定めます。

また法律で定めた疾病以外にも、心身ともに健康な状態で労務を提供できない状態にある場合も、就業を禁止したり制限を加えるようにし、完治を促す形とします。

上記いずれのケースでも、労働者側の事情により就業ができないものとなりますので、会社側には賃金支払義務がない事から、就業禁止・制限期間は「無給」となる事を定めておきます。

規定例の第4項は、新型インフルエンザ対策として規定しています。

新型インフルエンザに関しては、一定期間を経過した場合は他人に感染する可能性が低いとされ、医療機関に診断書を求める必要性が低く、また診断書の記載を求めることで医療機関の負担を増やし、場合によっては診断書作成までの時間もかかるなど、速やかな職場復帰を妨げる可能性もあることから、診断書提出の免除規定を設けてます。


【規定例】
第●条(就業制限)
1.社員が次の各号に該当する場合は、会社の指定する医師に意見を聴いた上、就業を禁止する。この場合、社員はこれに従わなければならない。
①感染症法に定める感染症に罹患している者、およびその保菌者
②病毒伝播のおそれのある伝染性の疾患にかかった者
③精神障害のため、現に自身を傷つけ、または他人に害を及ぼすおそれのあるとき
④心臓、腎臓、肺等の疾病で労働のため病勢が著しく増悪するおそれのあるとき
⑤前各号に準ずる疾病で厚生労働大臣が定めるものにかかったとき
⑥勤務のため、病気が悪化するおそれがある者、および病気治療後回復せず、通常勤務が困難と認められる者
2.前項の就業制限については、会社に責がないことが明らかな場合、無給とする。
3.社員は、本人または同居する家族などが伝染病にかかり、またはその疑いがあるときは、直ちにそのことを会社に届け出なければならない。
4.「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づく各種措置が講じられた場合、当該措置に従うものとする。この場合、当該措置により就労が不能となった際の給与については、第2項の規定を準用する。

第●条(就業制限者の再就業)
 前条により就業を制限された者が、疾病より回復し就業しようとする場合、医師の診断書を提出し会社の許可を受けなければならない。ただし他人に感染する可能性が低く、医師が職場復帰を口頭にて許可した場合は、診断書の提出を免除するものとする。

 

上記内容に関連する「社員も安心、会社も納得の就業規則」ページもご覧ください。
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投稿日:2012/11/20
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