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裁判・判例 過労で発症、2億円弱賠償命令=元レストラン店長、残業月200時間-鹿児島地裁

2月16日 時事ドットコム
鹿児島県鹿屋市の元レストラン店長松元洋人さん(35)が「低酸素脳症」を発症し、意識不明で寝たきりになったのは、長時間の時間外労働が原因として、松元さんと両親が、レストラン経営会社「康正産業」(鹿児島市)を相手に計約3億5000万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が16日、鹿児島地裁であった。

山之内紀行裁判長は安全配慮義務違反と発症との因果関係を認め、未払いの残業代を含め計約1億9500万円の支払いを命じた。

原告側代理人によると、損害賠償額は約1億8700万円で、過労をめぐる訴訟では最大規模という。
賠償額には、寝たきりになった時点から46年分の介護費用も含まれている。
(以上、記事より)

請求額全額は認められなかったものの、過重労働に対する損害賠償額で約2億円という額を命じたのは最大規模とされいるだけ、重く厳しい判決だったといえます。

過重労働の実態としては、月間200時間の残業時間が発生していたとの事。

平均的な月間所定労働時間と合わせると370~380時間の実働時間となり、労働基準法で定める週1日の休日をとったとしても1日平均13~14時間勤務だったことになります。
このような勤務が続いたとすれば、身体的な影響があるのは必至。

飲食業では、低賃金・長時間労働の実態が多く、特にアルバイト・パートが急に休んだりすると、そのしわ寄せは店長にきてしまうという現実があります。

マクドナルド店長の訴えにより労働環境が改善されてきているとはされているものの、多くの飲食店舗では長時間労働となっている実態があります。

飲食業に限らず、IT業界など長時間労働が発生しやすい業界では、個別企業の努力に頼るだけでなく、業界全体として過重労働の影響が少なくなるよう取り組んでもらいたいところです。



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投稿日:2010/02/18
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