人事・労務の知恵袋

雇用・定年 NTT30代半ば以降の賃下げ計画、再雇用費に充当

朝日新聞デジタル
NTTグループの主要各社が来年度から、30代半ば以降の社員の賃下げを計画していることがわかった。浮いた人件費を、新たに導入する65歳までの再雇用制度に回す。政府は来年度から、企業に60歳以降も働き続けたい人の再雇用を義務づける方針で、人件費の総額を抑えるために追随する動きが広がりそうだ。

各社が今月上旬、来年度からの新しい賃金制度への移行を労働組合に提案した。朝日新聞が入手した資料によると、入社から10~15年ごろまでは今の制度とほぼ変わらないが、それ以降は60歳の定年まで賃金の上がり具合を従来より抑える。30代半ばからの賃下げには「働き盛りには異例の措置で、転職を誘発するおそれがある」(別の労組関係者)との声もある。あわせて65歳までの再雇用を制度化する。

具体的な賃下げ幅は示していない。人件費総額が変わらない場合、50代では今より年収が100万円ほど減る例もあるとみられる。

NTT東日本や西日本など主要各社は2002年度に、51歳以上の社員の多くを子会社に転籍させて、賃金を最大30%下げる制度を導入した。今回の計画は、それ以来の大がかりな賃金制度の見直しになる。

厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢は今、60歳だが、来年度から男性は61歳になり、その後も段階的に上がって2025年度から65歳になる。このため政府は今国会に高年齢者雇用安定法の改正案を提出しており、成立すれば65歳までの希望者全員の再雇用が義務づけられる。
(以上、記事より)

65歳定年、65歳までの再雇用義務化をにらみ、60歳以降の継続雇用に対する施策を検討する企業が増えています。

継続雇用の際に問題となるのが、かかる人件費と実際の就業内容。

役職定年制を設けている場合もありますが、中小企業の多くは定年まで職位・職責は変わらずというケースがほとんどで、継続雇用の際に、定年後の就業内容を再検討されています。

若手に職位をあけ自身は後進の育成を主に行う場合もあれば、他部門の現業に就く場合もあったりします。

今後、65歳まで再雇用が義務化された場合、長期スパンでの人件費プランが必要となります。
そこには当然に退職金も含まれてきます。

ベンチャー企業など今は平均年齢も若く、定年や退職金などピンとこない企業にも、会社を成長させ歴史を重ねていくと、必ずこの問題を考えなければいけません。

退職金の一部を65歳までの継続雇用に活かす、今回のニュースのように30歳後半からの賃金テーブルを再考するなど、企業の風土・体力に見合った人事制度の見直しが求めらるのは必至といえまそうです。


【高年齢者雇用安定法改正案のポイント
1.継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止

2.継続雇用制度の対象となる高年齢者が雇用される企業の範囲を、グループ企業にまで拡大する仕組みを設ける。

3.高年齢者雇用確保措置義務に関する勧告に従わない企業名を公表する規定を設ける。

4.雇用機会の増大の目標の対象となる高年齢者を65歳以上にまで拡大する。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000023f0k.html
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000023f0k-att/2r98520000023f4c.pdf
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000023f0k-att/2r98520000023g2n.pdf


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投稿日:2012/04/23
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