読売新聞
生命保険最大手の日本生命保険が、労働組合(組合員約1万4000人)に対し、自社の企業年金の支給総額を削減する提案をしたことが7日、分かった。

退職金の水準見直しなどで、従業員1人あたりの支給総額は平均で10%程度減る計算だ。
運用利率の低迷に加え、会計基準の変更により、企業年金の積み立て不足を抱える企業では財務が一気に悪化する恐れがある ためだ。他の企業でも見直しが相次ぐとみられる。

日生は、労組の了解が得られれば、厚生労働相の認可を経て、2011年度にも制度を変更 する方針だ。

関係者によると、退職金の支給額や、年金運用の原資である積立金を減額するほか、日生の業績に応じて見直せるようにする。
さらに、受け取り期間を、最大15年から最大5年間に大幅短縮する。
これにより、企業年金の積立金は現在の約8000億円から1000億円近く削減でき、全額を拠出している日生の負担が軽くなるという。
(以上、記事より)

企業年金の運用状況については2009年度は若干改善されたものの、従来からの運用利率低下による積立金不足は解消しきれず、未だに企業からの拠出で相殺し続けている状況にあります。

企業規模が大きいところでは、今回のように退職金支給額や積立金減額を行う事で、積立金不足も解消できるようになりますが、実際の退職金額の減少は、従業員の既得権とも関係するため不利益変更となります。

現実に減額となると、社員の士気にも影響を与えかねない一面もあるわけで、労働組合との今後の交渉で、企業経営上の問題・社員の既得権とモチベーションとのバランスをどう取っていくかが課題といえそうです。