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採用 専門性高い分野は、派遣から正社員に

日本人材ニュース
企業は、財務・経理など専門性の高い分野で正社員雇用を検討している――こんな傾向が、総合人材サービスのマンパワー・ジャパンが実施した「派遣社員の今後の活用」に関する調査で分かった。

調査によると、1044社のうち760社(73%)が、派遣社員の活用に関して今後も「変化なし」と回答した。
一方、派遣社員を今後「減らす」と答えた企業は189社(18%)で、「増やす」と答えた企業は95社(9%)だった。
 
さらに、従業員が1000人未満の企業の78%が「変化なし」と回答しているのに比べ、従業員が1000人以上の企業で「変化なし」と回答したのは52%に留まっており、今後、大規模企業で、派遣社員を「減らす」(33%)、または「増やす」(15%)といういずれかの対応を検討している模様だ。

職種別に見ると、派遣社員を「増加させる」企業では、「営業事務」、「営業・販売」、「総務・人事」での活用を検討している。
会社規模別では、従業員1000人未満の小規模企業では「営業事務」での派遣社員の需要が大規模企業に比べ2倍となっている。
従業員1000人以上の大規模企業では「テレオペレーター」や「受付・接客」での派遣の需要が高い。

一方、派遣を「減らす」企業は、今後、「正社員・契約社員」の採用や「社内調整」で人員確保を検討している。
「正社員雇用」で対応する企業が34%と最も多く、「社内調整」(23%)、「契約社員雇用」(18%)、「パート・アルバイト雇用」(13%)、「委託・請負」(12%)と続く。

会社規模別では、大規模企業では、「営業・販売」、「営業事務」、「財務会計・経理」、「総務・人事」の職種で、「正社員雇用」または「社内調整」で対応する企業が多い。
小規模企業でも、同様だが、特に「財務会計・経理」で正社員雇用を検討する企業は、大規模企業の約1.5倍に上っている。
 
同社では、「従業員が1000人未満の企業では、社内調整などでの人員確保が容易でないことも多く、専門性が高い職種において「正社員雇用」で対応しようという傾向が強い」と分析している。
(以上、記事より)


企業規模・職種による派遣社員の活用度合が分かれており、興味深い結果になっています。

特長的なのは、企業規模が小さいほど「営業事務」の派遣需要が多い点。
いわゆる事務職に対する人材を雇用せず派遣社員で対応し、事務量に応じて調整していると考えられます。

企業規模が小さい場合は、部門規模も小さい事から専門スキルを必要とする職種の人材を社内で育成する時間が取りにくく、新たにスキルを持った人材を採用し対応する傾向にあります。

専門性の高いスキルを持った人材を新たに採用する場合は、その人材に求められるものはスキルを発揮するだけでなく、マネジメント能力も合わせて求められる事も少なくありません。
社内風土や組織になじめるかも大事な要素となるため、単に必要とするスキルを持っているだけでなく、その人の「人間力」の高さ・深さも求められているといえそうです。

投稿日:2010/12/11
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