人事・労務サポート、就業規則、給与計算、社会保険・雇用保険の手続き、助成金。 -東京都のなりさわ社会保険労務士事務所-

09/08/31 2008年の企業人件費、0.9%減 帝国データ調べ、景気後退が影響


8月28日 日本経済新聞

帝国データバンクが27日まとめた人件費動向調査によると、2008年の企業の人件費は、退職金や役員報酬を除いたベースで前年に比べて0.9%減少した。
景気後退に伴う業績の悪化で、賞与などが減少したほか、給与の高い団塊世代の大量退職で賃金負担が減ったことも影響した。

同社の持つデータベースを使って、3208社を対象に調査した。
2008年の企業の人件費は13兆5045億円。1人当たりでは380万円と前年比3.6%減少した。
建設業や製造業で落ち込みが目立った。
(以上、記事より)

業種により落ち込み度合いは異なると思いますが、総額人件費が抑えられているのは確かなようです。

今年春の昇給もベースアップ現状維持、夏季賞与額も昨年より減少している企業が多かったと記憶してます。

上記の調査は帝国データバンクのデータベース登録企業によるものですので、割合と大手企業が多いものと思われ、中小企業では減少幅がさらに大きいものと思われます。

雇用調整助成金による雇用確保がとりあえずできているとはいえ、10月以降の景気によっては企業体力が限界にきているところでは、離職者が増える可能性が高く、今後の動向に注目されます。
  
 

09/08/28 育休時に禁じる取り扱いを指針に追加明示へ 労政審の分科会


8月26日 日本経済新聞より

労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の分科会は26日、前国会で成立した改正育児・介護休業法の制度の詳細について議論を始める。

育児休業を取った労働者に対して、事業主がしてはいけないことなどを指針に盛り込む。秋をメドにとりまとめ、来年夏の施行を目指す。

育児休業を取りやすい環境を整備して、少子化に歯止めをかけるのが狙いだ。

同法は、3歳未満の子どもを持つ従業員向けに短時間勤務制度の導入を企業へ義務づけたり、育児休業を理由にした解雇など不利益な取り扱いを禁じたりしている。
(以上、記事より)


育児休業法の改正にあたり、事業主への禁止事項を指針に盛り込むようです。

今回の改正については、短時間勤務制度の導入を義務付けるなど、企業側へ求められる事項が増えています。

大手企業では育児休業制度自体も充実しており、短時間勤務制度等も導入済み、他にも様々な制度を設けています。

一方、中小企業の中でも従業員数が50名以下の企業では、育児休業制度自体は法律通りに定めているものの、実態として制度を活用し職場復帰を果たしている従業員の割合は極めて少なく、出産を機に退職するケースが多いのが現実です。

法律で縛れば縛るほど、ますます実態とかけ離れていくのではないかと懸念しています。

国が真剣に出生率を上げたいと思うのであれば、小規模企業の従業員が育児休業を取得し職場復帰もできるようなバックアップ施策を講じないことには、出生率アップは現実論として難しいと考えます。

ぜひ子育て中の家族への経済支援だけではなく、この家族を支える企業が育児休業制度を当たり前に導入できるような状況を作れるよう検討してもらいものです。

 
      

09/08/27 労基署への処分請求を補助 仙台弁護士会、解雇者らに


仙台弁護士会は20日、解雇や雇い止めによって金銭的に困窮している相談者が、雇い先に対する行政処分を労働基準監督署などに求める手続きを弁護士に依頼 する際に、弁護士費用7万2500円を全額補助する制度を導入すると発表した。こうした制度は全国の弁護士会で初めてという。

仙台弁護士会によると、相談者が雇い先と交渉したり、民事訴訟を起こす場合は、日本司法支援センター(法テラス)が弁護士費用を立て替える仕組みがある。
しかし、労基署や労働局への手続きは法テラスの扶助対象外のため、弁護士がボランティアで引き受けることもあった。

同弁護士会は12月末までの補助費用として200万円を予算計上。
小野寺友宏副会長は「(行政処分を求めるのは)雇い主の違法行為を是正する有効な方法。
費用面で弁護士への依頼をためらっている人に利用してほしい」と話した。
(以上、記事より)


この制度が全国的に展開されるとしたら、今後、労務トラブルに関する個別労使紛争が格段に増えると思われます。

労働審判制度が平成18年より導入された事により、個別労使紛争の申し立てが増えてきています。
従業員側からの申し立てだけでなく、企業側も本制度を利用するケースもあります。

今回の費用免除が労働問題解決にどの程度影響を与えるのかは今後の動向次第ですが、従業員側が労務トラブルの問題解決手段として利用する事は間違いなく、企業側は、労務トラブルを未然に防ぐためのコンプライアンス強化がさらに求められてくるといえます。

来年4月からの労働基準法改正もありますので、これを機に、自社の就業ルール・就業規則をぜひ見直ししてみてください。
  
     
     

09/08/26 3社に1社が労働時間調整 一時帰休など


8月24日 BizPlus記事より

企業のほぼ3社に1社が社員の労働時間調整をしていることが労務行政研究所(東京・港)の調べで分かった。

このうち80.4%が一時帰休・休業で対応している。
社員に支払う休業手当の一部を国が補てんする雇用調整助成金の利用が進んでいるもようだ。

上場企業を中心に4,115社を対象に5月から6月にかけて調査し、273社から回答を得た。
一時帰休・休業の次に回答が多かったのは操業調整などのための年休の計画的付与で16.3%。
時間外労働の削減は13%だった。
(以上、記事より)


約8割の企業で一時休業等の対応で雇用を確保しているという状況には、雇用調整助成金の影響が大きいようです。

もう一つ気になるのは、時間外労働の削減が13%ある事。

業務量の減少により実質的な時間外労働が減少となったのか、人件費圧縮のために時間外労働を調整したのか。

実質的な時間外労働が減少しているのであれば、景気の影響はしばらく続くというところが心配されますし、コストカットのための時間外労働調整であれば、雇用確保とサービス残業という相反する課題が潜在しているところが心配されます。
 
  

09/08/25 上場企業の子会社・関連会社の倒産、1~7月で33件/帝国データ


帝国データバンクの発表。
2009年1~7月の倒産は33件と7月時点で年間最多を更新。
業種別では「サービス業」(13件)「製造業」(8件)の増加が目立ち、かつて系列倒産の中心だった「不動産業」「ゴルフ場関連」は減少した。
態様別では、親会社の事業再編に伴う特別清算が8割を占めており、今後もこうしたケースは続くものとみられる。
(以上、発表概要)

発表資料
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p090801.pdf


倒産の態様として、事業再編にともなう清算が多くを占めているという点について、労務面からみると、同社内での異動であれば就業条件に大きく影響することも ないのですが、M&Aでは合併元と合併先企業での就業条件の差や、年次有給休暇や退職金等の扱いをどうするか、また給与体系の違いなど、様々な調整が必要 となってきます。

合併する側の就業条件が元の企業のものより低い場合には調整が難しいケースが多いようです。

倒産には至らないものの、事業縮小により就業条件も変更されるケースでは、企業側より一方的に条件変更が行われた結果、労務トラブルに発展してしまうものもあります。

これら労務トラブルが発生する場合には、企業側が想定しているほど、従業員側からは企業の実情が見えていない場合が多く、従業員からすればいきなり就業条件を変更されたような印象を持ってしまうのが一因かと考えます。

日頃から、会社の実情や業態動向などに関して共通認識を持つような情報公開の仕組みをつくり、会社の一員であり会社の成長にも関わっているという意識を従業員一人一人が持っているような組織作りが、労務トラブルをなくすためには肝要といえます。

 

09/08/25 正社員の離職10万人超す 08年秋以降、退職応募2万3000人余り


8月21日 日本経済新聞

金融危機が深まった昨年9月以降、上場企業が正社員を対象に募集した希望退職に2万3千人余りが応じたことが、日本経済新聞の集計で明らかになった。
企業 倒産による失職も8万5千人に達しており、国内で10万人を超える正社員が離職した。
自動車など製造業を中心に生産は底入れ感が出ているものの、雇用の本格的な回復には時間がかかりそうだ。

昨年9月以降に希望退職や退職勧奨、解雇など具体的な方法を明らかにして正社員(グループ会社含む)を削減すると発表した上場企業は延べ185社(複数 回募集した13社含む)。うち従業員の削減数を明らかにした173社を集計した。
大幅な人員削減を発表したものの具体的な方法を公表していないソニーやパナソニックなどは含まない。
(以上、記事より)


過去1年のうちに正社員が10万人規模で離職しているとのニュース。
業種や年齢によっては再雇用が厳しい方も多く、このうち再雇用されたのが実質どの程度となっているのか気になるところです。

これにプラスして、雇用調整助成金の支給対象となっている休業者の人数です。
4月の段階で250万人が支給対象となっている事から、実質的な離職者数としてはかなりの数になり、雇用状況の改善が進まない限りは、助成金対象者の今後にも大きく影響が出てくると懸念されます。
 

09/08/20 男性の育児休業取得率は1.23%


厚生労働省が発表した「平成20年度雇用均等基本調査」結果概要によると、男性の育児休業取得率は昨年より0.33%低下し1.23%との事。

女性は90%が育児休業を取得しているのに対し、男性の取得率は圧倒的に低い状況です。
行政は、男性の取得率を10%まで増やしたいようですが現実はどうでしょう?

男性が育児休業を取得するには企業側の理解が必要とよくいわれますが、現実として男性社員が長期間に渡って育児休業を取得するのは、仕事の面・金銭的な面からみても難しいといえます。

弊社の顧問先企業で、男性社員の育児参加を積極的に推進している企業があります。
この企業では、出産に関する休暇を2週間認めており、さらに育児休業を取得する形になっています。

男性社員が育児休業を取得しやすくするには、始めから女性社員のように長期間を想定するのではなく、出産直後の子育てサポートの意味で短期間でも取得しやすくするなど、仕事にも支障が少なく、精神的負担も少ない形で導入を支援していくのが現実的ではないかと感じています。

「平成20年度雇用均等基本調査」結果概要/厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/za/0818/d02/d02.html

 調査結果の概要
http://www.mhlw.go.jp/za/0818/d02/d02-01.pdf
 
  

09/08/19 2010年春の新卒採用、企業の「満足度」大幅に向上


8月18日 NIKKEINET

就職情報会社のディスコ(東京・文京)は、2010年春に入社予定の新卒者採用に関する企業アンケートをまとめた。
採用結果の満足度について聞いたとこ ろ、「質・量ともに満足」と答えた企業が42.3%となり、前年より13.7ポイントも上昇した。
景気の後退で企業が採用を絞り込んだ結果、企業側が学生 を選ぶ「買い手市場」になったのを反映し、満足度が高まったとみられる。

2011年春の卒業予定者の採用人数について聞いたところ、「今年度並み」と答えた企業が42.9%で最も多かった。
「減る」が11.1%、「増える」は 6.9%だった。
「未定」と答えた企業も39.1%に上っており、同社は「景気の先行きを見守ってから、採用人数を決めようとする企業が多いのではないか」としている。
(以上、記事より)


例年であれば2011年新卒採用がそろそろ動き出す時期ですが、イチゼロ採用は今も各社続いています。

「買い手市場」とされた今年の新卒採用では、学生をじっくり選ぶ環境だったというのが実感でしょう。

売り手・買い手市場に関わらず、自分が希望する企業に就職できる学生がいます。
内定企業数で一喜一憂している学生でない事は確かです。
企業からみて欲しいと思う学生はどんなタイプなのか?
うわべだけで考えるのではなく、その企業に入ってできる事・やってみたい事は何かを、しっかり自分の中に持っている事が大事だと考えます。
  
  
          

09/08/18 新型インフル想定の事業継続プラン、「具体策ない」中小企業が半数超


8月14日 日経産業新聞

三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京・港、水野俊秀社長)は第2回の新型インフルエンザ対策に関するアンケート調査を実施した。
調査対象は同社の 中小企業向け経営支援サービスの会員企業。それによると新型インフルエンザ発生を想定した事業継続計画(BCP)作成の具体策を講じていない企業は半数以上にのぼり、事業継続に不安が残る現状が浮き彫りになった。

新型インフルエンザが国内で発生した後の2009年6月8~30日に調査を実施。
「三菱UFJビジネススクエアSQUET(スケット)」会員企業のイン ターネットユーザーが対象で、有効回答数は427件だった。前回は発生前の08年11月25日~12月15日に調査を実施した。
(以上、記事より)

先週、沖縄で国内初の死亡者が出たというニュースがありました。

一時期あれ程騒がれていたのに、最近は新型インフルエンザに対する対策がどうのという事も聞かなくなったなと思ったところに、企業での事業継続対策がされていないという内容のニュースです。

人事労務での相談として一番多かったのは、新型インフルエンザが発生した際の休業をどう取り扱うかでした。
どの段階で休業させたら会社都合となるのかというものです。

労働基準法での休業手当の支給義務に該当するのは「罹っている疑いがあるため企業が自主的な判断で休業させる場合」のみとなり、「実際に罹った場合」や「罹患が疑わしく医療機関の受診による休業」は休業手当の支給は必要ありません。

今後、再度流行した場合には、長期間の休業となるケースも当然に想定される中、業務に支障が生じないよう具体的な継続プランを事前に立てておく事は、従業員の補充やローテーションが難しい中小企業の方が実際には必要とされるでしょう。
 
 

09/08/10 健保や年金、介護など賃金減で保険財政厳しく


8月9日 日本経済新聞より

不況による賃金の減少が医療、年金などの社会保障制度を揺るがしている。

会社員の保険料が賃金水準に連動するためで、企業業績が悪化した2008年度は中小企業向けの健康保険で1000億円規模の減収になった。

2009年度の保険料収入は一段と落ち込む公算が大きく、将来の料率引き上げや給付削減につな がりかねない。

社会保障を巡っては、高齢化に伴う給付増への対応が衆院選の争点になっているが、保険料の減収も、今後の制度設計に影響を与える可能性がある。

医療、年金、介護などの保険料は国民年金など一部を除き、加入者の賃金水準に沿って増減する。
例えば会社員の健康保険や厚生年金、雇用保険は加入者の賃金に保険料率を掛けて、払い込む保険料の額が決まる。
(以上、記事より)


保険料の減収は、短期・長期にわたっての保険財政に影響を与えます。

フリーターや非正規社員の増加により、税収と保険料収入が減少してきているとされている中、人口構成での高齢化が一層進み、現行の保険料方式では保険財政が賄いきれず税方式での保険財政を検討するとの意見も出されています。

そんな中、業績悪化の影響で給与額や賞与が減少し保険料額への影響が出てきたというところで、保険料額のアップや保険・年金給付への影響が今後どの程度とされ、具体的な設計がされるのか注目されます。

  

09/08/05 厚生年金の赤字10兆円超、過去最大 積立金運用で損失


厚生労働省は4日、公的年金の08年度決算(時価ベース)を公表した。
サラリーマンが入る厚生年金は10兆1795億円の赤字、自営業者らが入る国民年金は1兆1216億円の赤字で、いずれも時価ベースの決算データがある01年度以降で過去最大の赤字となった。
昨年秋からの金融危機の株安により、積立金の市場運用で多額の損失を出したのが主な要因だ。

前年度も、厚生年金が5兆5909億円の赤字、国民年金が7779億円の赤字だったが、08年度はこれを大きく上回る赤字となった。

赤字の主因となった積立金の運用損は、厚生年金が8兆7252億円、国民年金5924億円。
このため、積立金も大幅に目減りし、厚生年金が116兆6496億円(前年度比13兆5314億円減)、国民年金が7兆1885億円(前年度比1兆2789億円減)。

収入を見ると、厚生年金は保険料収入が前年度比7214億円増の22兆6905億円。
年度当初は雇用状況が比較的良く、被保険者数が前年度より49万6千人増えたことなどによる。
一方、国民年金の被保険者数は団塊の世代が被保険者でなくなった影響などで、75万2千人減少。
保険料収入も前年度比1112億円減の1兆7470億円になった。

年金給付は保険料と国庫負担で多くをまかなっており、単年度決算の赤字がすぐに給付に影響を及ぼすことはない。
厚生労働省は「昨年末までの株価の状況などを織り込んで長期的な年金財政の見通しを作成しており、将来的にも負担と給付のバランスは保たれる」としている。

ただ、経済の低迷が長期的に続いた場合、将来の給付水準が下がる可能性がある。
(以上、記事より)

企業年金でも運用損による積立不足が13兆円に達したニュースが先日ありましたが、社会保険料として強制徴収している保険料を基本とした公的年金制度での積立金までもが、運用損を大きくしたというニュースは正直インパクトがあります。

保険料収入の減少や国民年金の未納問題ばかり注目させるような流れの中、企業も含め加入者から徴収した保険料に対し「預かっている意識」も持ちながら、将来に向けて活用してもらいたいと感じたのは自分だけでしょうか。。。
 
 
    

09/08/03 9月以降の健康保険料


協会けんぽの健康保険保険料(=政府管掌の社会保険が適用されている事業所の保険料)は、9月分(10月納付分)より都道府県毎の保険料率に移行されます。

全国健康保険協会より、新保険料率が発表されていますので、確認ください。

関東(1都6県)の保険料率は以下の通りです。

■東京都 →8.18%

■神奈川県→8.19%

■茨城県 →8.18%

■栃木県 →8.18%

■群馬県 →8.17%

■埼玉県 →8.17%

■千葉県 →8.17%

※40歳から64歳までの介護保険第2号被保険者の介護保険料は、従来通り1.19%のまま変更はありません。
       
 都道府県毎の保険料率への移行について
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/8,12390,131.html

 保険料額表
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/8,0,120.html
 
   
  
 
   

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