人事・労務サポート、就業規則、給与計算、社会保険・雇用保険の手続き、助成金。 -東京都のなりさわ社会保険労務士事務所-

06/09/15 日本版SOX法と人事労務の関連性

2008年度にも導入が見込まれる日本版SOX法(企業改革法)に向けて、各種支援サービスが各社から提供されてきています。

日本版SOX法とは、2002年7月に米国で誕生した企業改革法の日本版です。
目的は、会計監査制度の充実と企業の内部統制強化にあり、企業の会計不祥事やコンプライアンス欠如などの防止を目指すものです。
米国版と比較して、日本版SOX法ではITの利用と統制がより重視されるものとなっています。

以前は、内部統制マネジメントシステムのためのITソリューションをサービスするものが多かったのですが、ここにきて業務プロセスの文書化へ対応するためのソリューションや、包括コンサルティングのサービスを提供する企業が出てきています。

6月5日 日経産業新聞より

富士ゼロックスは先月施行の会社法や2008年度にも導入が見込まれる日本版SOX法(企業改革法)に対応、業務プロセスの文書化を支援するソフトウエア「Apeos PEMaster」を7日発売する。
監査人に示す文書を作成できるほか、社内情報の一元管理が可能。業務効率の向上にもなるという。
業 務記述書や職務権限を示す職務分離表などを各部署に書き込んでもらい、ソフト上で一元管理する。業務を体系的に管理することで、法令順守や資産の保全、財 務報告の信頼性を確保する。価格はサーバー用の許諾料金が100万円(税抜き)で、1000ユーザーの場合でライセンス料が450万円(同)。年間 100社への販売を目指す。

6月6日 日経産業新聞より

経営コンサルティングのアルゴノートは、2008年の施行が見込まれる日本版SOX法(企業改革法)で必要になる内部統制構築を総合的に支援するサービスを始める。
業務内容の分析など事前の準備から具体的な組織発足、継続的な監査までを低価格で請け負う点が特徴。主に新興株式市場に上場する企業などを対象に受注する。
今月中に同サービスを開始する。戦略確認から継続的な内部監査までをまとめて提供するコンサル会社は少ないという。アルゴノートの専門担当者が内部統制構築のために必要な作業を一括して引き受け、顧客企業の体制を固めていく。


内部統制システムが人事労務へどのように関連付けされるのでしょう?
財務報告に関するものが重点だから、人事労務とは直接関係ないとお考えの方も多いのではないでしょうか。

例えば、内部統制では、全社統制の他に個々の業務プロセスを文書化し統制機能を確認していく必要があり、これは会社全体に機能している規程類にも及んできます。
またリスクマネジメントの観点から、規定されたルールに違反しコンプライアンスからも逸脱していた場合には、その社員に対する懲罰が適用されます。

内部統制システムを構築しただけでは決して機能することはなく、このシステムをいかに根付かせ稼動させていくかがとても重要になります。つまりは個々の社員の意識付けが重要であり、労務管理や人事考課とも密接に関係してくるものとなります。

これから内部統制システムの構築に向けて検討を進めていく場合に、ぜひシステムを動かす「社員=ヒト」に着目して頂きたいと思います。

06/04/20 自家用通勤を認める場合の労務リスク(2)

現実として通勤時に交通事故を起してしまった場合、特に人身事故の際に、会社に莫大な損害賠償請求がなされる事があります。

自家用車通勤をしている従業員が自動車保険に未加入である事が一番の要因ですが、保険加入の有無を確認していなかった会社側の責任も問われかねません。

これらを回避する方法として、以下の対策を講じる必要があります。

①本人から自家用車通勤の申請をさせ、これを会社が一定の条件の下で承認している事実を残す。
(本人が勝手に通勤していたからといって会社の責任が回避されるわけではない)

②通勤経路の届出をさせる。
(合理的な通勤経路かどうかを判断)

③自動車保険の加入状況を確認し、保険証券のコピーを保管する。
(保険未加入や保険失効は自家用車通勤を認めない)

④自動車通勤時に事故が発生した際の責任所在を明確にした書面を、従業員と会社とで取り交わしておく。この時の書面には、労災保険の対象となる部分と自己の損害賠償の対象となる部分を明記する。
(事前に自家用車通勤に関する通知を行い、この日付を記載した書面を用意。この通知内容を承諾した旨の記名押印した書面を会社が受理する)

就業規則では、通勤手段の制限、通勤経路の届出、自家用車通勤時の保険加入義務、事故発生時の賠償責任の所在等について個別具体的に規定し、合わせて届出・報告書類の整備と届出の徹底を行う事で、初めて交通事故が発生した際の会社リスクを軽減することが可能となります。

06/04/20 自家用通勤を認める場合の労務リスク(1)

通勤とは、就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、業務の性質を有するものを除くものとされていますが、往復の経路を逸脱し、又は往復を中断した場合には、逸脱又は中断の間及びその後の往復は「通勤」とはなりません。
ただし、逸脱又は中断が日常生活上必要な行為であって、法律で定めるやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、逸脱又は中断の間を除き「通勤」となるとされています。

通勤手段として、電車やバスなどの公共交通機関を使うのか、自家用車や自転車などを使うのかは、合理的な方法であればいいわけです。

では通勤に際しての合理的な経路は、どこまでの範囲を指すのでしょう。

例 えば、会社帰りにスーパーマーケットに立ち寄り日用品を購入して自宅に戻った場合、このスーパーマーケットが、いつもの通勤経路上にあるのであれば、買い 物をしている時点を除いて「通勤」として扱われますが、通勤経路とは全く異なる場所にあるスーパーに立ち寄った場合は、そこで買い物をしている時点と、そ の後自宅に帰るまでの経路は「通勤」として扱われなくなります。

上記をふまえ自家用車での通勤を認めている場合の「通勤」の範囲を、どのように会社は把握し管理していくべきでしょうか。

自家用車での通勤の場合、公共交通機関とは異なり最寄り駅がありませんので、通勤経路を特定することから考える必要があります。

自宅から直接自家用車に乗り会社に向う場合は、途中、渋滞が発生し迂回する事も考慮した通勤経路を報告させます。自宅に駐車スペースがなく近くに駐車場を借りている場合は、自宅から駐車場までの徒歩も含めて通勤経路として報告してもらう事となります。

就業規則では、自家用車通勤を認める場合に、交通手段の制限と共に上記の通勤経路の届出事項まで記載する事で、会社が法律に基づいた取り扱いをしていると判断され、従業員へもいいかげんな届出ができないとの意識付けを行うことができます。

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